「人生左右する」真価問われる藤浪

「人生左右する」大一番やぞ!阪神・金本監督が藤浪に究極ゲキ: 甲子園室内で調整する藤浪。1軍復帰のマウンドで真価が問われる(撮影・山田喜貴) © サンケイスポーツ 提供 甲子園室内で調整する藤浪。1軍復帰のマウンドで真価が問われる(撮影・山田喜貴)

 人生、懸けろ! 阪神・金本知憲監督(49)が14日、1軍合流し、16日の広島戦(京セラ)で先発する藤浪晋太郎投手(23)に究極のゲキを飛ばした。「彼の人生を左右する」-。監督就任当初からエースへの成長を期待しながら、5月27日に2軍調整を命じた。2カ月半ぶりの1軍は、真価が問われるマウンドとなる。

 絶対に負けられない試合だからこそ、藤浪に託す。矜恃を傷つけられ、ほぞをかみ、自分を見つめ直した底力にかけてみる。勝つだけが目的じゃない。藤浪がどういう道を歩んでいくのか、が決まる。金本監督は、まるで右腕に言い聞かせるように語気を強めた。

 「そういう場でどういう姿をみせるのか、というのは、やっぱり、今後、彼の人生を左右するといえばオーバーかもしれないけど、僕はそれぐらいの目でみたいと思う」

 5月27日に抹消したが、苦渋の選択だった。就任当初から投手陣の中心として20勝を期待したが、昨季7勝11敗。今季は3勝3敗、防御率2・66。制球難で右打者への死球で崩れる悪循環に陥った。本来なら投げさせながら、調整させたかった。しかし、チームの士気に関わりかねないほどの不振に、屈辱ともいえる2軍での無期限の再調整を命じた。

 「その(悔しい)気持ちを、どうぶつけるか、ですから。そりゃ、僕ら楽しみですよ。どう、その気持ちを彼は出してくれるのか」

 どれだけチームに迷惑をかけたか-。抹消から2カ月半。メッセンジャーを中5日でフル回転させ、秋山や岩田の中堅組が穴を埋めたが、台所事情は苦しかった。38歳の能見にも積極的休養を与えられず、大黒柱のメッセが右足骨折する非常事態に。ここで信頼を取り戻せる投球ができるか。ダメなら今まで何をしていたんだとなる。まさに「藤浪晋太郎」の真価が問われるマウンドとなる。

 完全復調だけを願う指揮官の思いはファームでも同じだ。「“遊び”半分にやれよ!」-。鳴尾浜では再生担当の一翼を担う福原2軍育成コーチが、このフレーズを繰り返した。福原コーチと藤浪とは現役時代、ロッカールームが隣同士。野球に真剣で考え込んでしまう藤浪の性格を熟知しているから、力まないように言葉をかけ、自ら捕手役を務めたりした。藤浪の存在なくして、猛虎復活なし。金本政権一丸で取り組んだ集大成を「8・16」で証明するというわけだ。

 甲子園室内で汗を流した藤浪は金本発言を受け、「とにかく自分の投球をするだけです」と力を込め、「チーム状況は知っていますが、2軍から上がってきた選手なので余裕はないです。自分の感覚的にはよくなりました」と悲壮な決意をつむいだ。金村投手コーチも「すごくゆったりして、ボールを投げにいくまでに間ができているなと。その分、時間があって腕が上がってくるような感じには見えた」と、確かな変化を口にした。

 8・5ゲーム差で迎える広島3連戦。将は「あきらめない姿をみせてほしい。もちろん、そういう気でやってくれているし、継続して」とうなずくが、藤浪もその1ピースになれるのか。むしろ、ここからが勝負。やってくれると、誰もが信じている。 (阿部祐亮)

今季の藤浪

 ★4月4日 初先発したヤクルト戦(京セラ)は制球が定まらず、畠山に死球を与えて両軍乱闘に(5回2失点、9四死球)

 ★5月27日 不振で1軍登録抹消

 ★7月2日 2軍降格後、ウエスタン5試合目の7月2日の中日戦(ナゴヤ)では五回途中に自身初の危険球退場など、4回0/3を7安打7四死球で7失点。登板予定が白紙となり、ミニキャンプへ

 ★同25日 ウエスタン・広島戦(由宇)で中継ぎ登板。1回を1安打無失点。MAX156キロを計測

 ★8月10日 ウエスタン・広島戦(倉敷)に先発し、5回4安打3三振1失点と好投

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