名手福留「千鳥足」でまさかの後逸

捕ってくれよ!阪神・福留、逆転許す痛恨後逸…3位DeNAと1差に: 四回、梶谷の打球にチャージするも後逸した福留。捕ってほしかった(撮影・山田喜貴) © サンケイスポーツ 提供 四回、梶谷の打球にチャージするも後逸した福留。捕ってほしかった(撮影・山田喜貴)

 (セ・リーグ、DeNA4-1阪神、10回戦、阪神6勝4敗、5日、横浜)捕ってくれよ! 阪神・福留孝介外野手(40)が四回の守備で、梶谷のライナー性の打球を後逸。逆転の2点二塁打とされてしまった。1-4で敗れ、連勝は2でストップ。3位・DeNAとは1ゲーム差。照明が目に入ったとはいえ、名手らしからぬ痛恨のミスだった。

 珍しく“千鳥足”だった。その瞬間、嫌なニオイは確かに漂った。まさか…。チャージする福留が迷いながら、グラブを差し出した。梶谷の打球は、無情にもグラブの横を抜けていった。

 「……」

 試合後、主将はこの日昇格したばかりの坂本にアドバイスを送りながら、バスへと向かった。報道陣からの質問には口を開くことはなかった。

 信じられないプレーが起きたのは四回一死一、二塁だった。スコアは1-0。先発メッセンジャーが珍しく四球連発も、土俵際で踏ん張っていた中での悪夢だった。一走・高城も生還させ、逆転を許してしまった後、福留はため息をつき、グッと唇をかんだ。

 後逸した瞬間、福留は手で目を覆っていた。原因は照明が目に入ったこと。2015年から導入され、敵味方関係なく泣かせてきた横浜スタジアムのLED照明。交流戦終盤から急きょ右翼から左翼にまわり、不慣れな福留に襲いかかった。打撃でも一回に右前打を放ったが、3三振。九回は見逃しで最後の打者になった。

 名手らしからぬ痛恨のミスに、金本監督は「照明が入ったように見えたけどね。勝負にいって捕りにいったんだから。それ(照明のこと)をいったらもう、じゃ、全部止めて待つようになるから。それはもう結果であって」とし、中村外野守備走塁コーチも「捕りにいく瞬間に照明が入ったら簡単に捕れない」と説明した。

 打撃は水物だ。相手投手との兼ね合いもあり、好不調もある。だが、守備は違う。今は打線に勢いがないだけに、守りでのミスは命取りになる。だから、捕ってほしかった。せめて、体で止めてほしかった…。守り勝つ野球を普段から体現している40歳だからこそ、ファンは思う。そんな周囲の気持ちを感じているから、福留は安易な言葉で逃げることをしなかった。

 2位死守もあやしくなってきた。3位・DeNAとはついに1ゲーム差。打線は先発、ドラフト1位・浜口遥大投手(神奈川大)に2戦2敗。序盤、再三のチャンスを作りながらも七回途中1失点の好投を許した。左アキレス腱断裂から完全復活を目指す西岡や、新外国人のロジャースが後半戦から加わる見通しも“特効薬”になるかは不透明だ。だからこそのディフェンスだったが…。

 振り向けばヨコハマ。もうミスは許されない。この苦境を脱するには、福留の倍返ししかない。 (阿部祐亮)

★横浜スタジアムのLED照明での捕球ミス

 2015年からLED照明が導入されたが、守備でのミスが続出。同年4月15日のDeNA-巨人。四回一死一塁で、巨人先発の杉内が山なりの球で一塁へけん制。一塁・井端があとずさりしながらなんとか捕球。井端は「山なりになると(ボールが)消える」。六回、DeNAの守備の場面で、右翼・梶谷が亀井の右中間への飛球を見失い、二塁打に。梶谷は「(照明と球が重なって)全く見えなかった」と話していた。

データBOX

 ◎…2位・阪神が3位・DeNAと1ゲーム差。阪神が3位のチームと1ゲーム差以内となるのは、4月29日の時点で3位・巨人に0・5差となって以来

 ◎…阪神は6日もDeNAに敗れると、39勝35敗となり、勝率・527でDeNA(39勝35敗2分)と並ぶ

Category: ,