錦織、クセ者下し伝説の記録超え王手
© 日刊スポーツ 提供 男子シングルス2回戦 スタホフスキーにリターンを放つ錦織(AP)
世界9位の錦織圭(27=日清食品)が日本男子の4大大会全最多勝に王手をかけた。予選勝者で同122位のセルジー・スタホフスキー(ウクライナ)に6-4、6-7、6-1、7-6で下した。ウィンブルドン通算13勝目を挙げ、佐藤次郎の持つ最多14勝にあと1勝に迫った。錦織はすでに全豪、全仏、全米で日本男子最多勝を記録している。3回戦では同19位のバウティスタ(スペイン)と対戦する。
やりにくさ満点の試合を制し、錦織はほっとした表情で勝ち名乗りを受けた。サーブからネット。ドロップショット、逆回転をかけ低く滑るバックなど、緩急を交え技を繰り出す相手に、ミスも出たが冷静に対処した。「タフな試合になるとは思っていた。最後を取れて良かった」と汗をぬぐった。
第1セットを奪った後「少し自分のレベルが落ちた」。ダブルフォールトがこのセットだけで4本を数えた。タイブレークで落としたが「第3、4セットで上げられた」とトップ10の意地で、3時間15分のタフな試合を乗りきった。
相手は“くせ者”だ。試合中に巧妙なトークで観客を巻き込み、きわどいジャッジには審判にクレームをつけることで有名。トリッキーなショットで13年大会2回戦で、当時7度の優勝を誇ったフェデラーを倒したこともある。
負けられないわけがあった。相手は予選上がりだが、同決勝で対戦したのが伊藤竜馬。観戦していた日本協会の土橋強化副本部長に言わせると「クレームばっかりつけて、ぐちゃぐちゃにされた」。伊藤は5時間近い激闘の末に敗れた。「竜ちゃんが、いちゃもんをつけられた。リベンジしたい」。自身も11年に2戦2敗。特に全仏では2回戦で対戦し、ネットに出られプレッシャーをかけられた末、冷静さを失って敗れた苦い経験もあった。
伊藤に対するおとこ気と2敗分の雪辱を期した試合だった。相手から初の1勝をもぎ取り、伊藤のリベンジも果たした。これで佐藤次郎が持つ日本男子最多勝に残り1勝と迫った。全豪、全仏、全米はすでに錦織が最多勝で、残すはウィンブルドンだけ。テニスの聖地を制し、日本男子の最多勝4大大会全制覇に達成する。【吉松忠弘】
◆WOWOW放送予定 6日午後7時半から。7日午前0時から、ともにWOWOWライブ。生中継。男女シングルス2回戦ほか。
