農業ドローン活用拡大、効率化に期待
© 時事通信社 水田で農薬を散布するドローン(クボタ提供)
農業分野でドローン(小型無人飛行機)を活用する動きが広がっている。これまで小型無人ヘリコプターなどで行ってきた農薬散布をドローンで実施する農家が増えているほか、生育状況の観測や台風などによる水利施設被害の把握、さらには鳥獣被害防止対策への利用も検討され始めた。農林水産省はドローンについて「後継者不足の中、データに基づく農業の普及や農作業の軽減に有効だ」(技術政策室)と期待を高めている。
農水省によると、農薬や肥料、種子の散布に使用する無人ヘリは、一般社団法人、農林水産航空協会(東京)への登録が必要。農業用ドローンも2015年に登録が必要になり、18年1月時点の登録数は計673機と、17年3月に比べ約3倍に増えた。
農薬を散布するドローンは機体に8~10リットルのタンクを装備。水田1ヘクタールに必要な農薬は約10リットルとされ、農家の人がタンクを背負って散布すれば数時間かかるところ、ドローンなら10分程度で完了できる。無人ヘリよりも小回りが利き、回転するプロペラの風が弱いため、葉物野菜を痛めないなどの利点があるという。1機200万円程度で、無人ヘリの数分の1という安さも魅力だ。
ドローンに搭載されたビデオカメラで空中から農作物の生育状況を観測する取り組みも進められている。映像をパソコン上で色分けし、成長が遅れている場所を特定。与える肥料の量などを調整し、品質や収穫量の向上につなげる。
鳥獣被害を減らすためドローンを活用する研究も始まった。シカやイノシシが活発に行動する夜間にドローンを飛ばし、特殊カメラで地上の画像データを収集。効率的に捕獲できる対策に役立てていくという。
