エジプトのモスク襲撃、報復説有力に
【イスマイリア(エジプト)時事】エジプト東部シナイ半島で300人以上が死亡したモスク(イスラム礼拝所)襲撃事件は、1日で発生から1週間。過激派組織「イスラム国」(IS)傘下で、シナイ半島で活動を活発化させている「ISシナイ州」によるテロとみられるが、いまだに犯行声明は出ていない。ただ、政府や軍に協力し、ISと敵対していた地元部族を狙った報復テロとの見方が有力になっている。
シナイ半島に近接する北東部イスマイリア。事件で約50人が搬送されたイスマイリア総合病院は、入院した負傷者を見舞おうとする人々でごった返していた。「患者は心にも傷を負った。政府から取材不許可を指示されている」。記者の入室を渋る担当者の姿は、テロが与えた衝撃を物語る。 襲撃されたモスクには、ISが異端視するイスラム神秘主義者(スーフィー)が多く集っていた。しかし、許可を得て病室で匿名を条件に話した男性(36)は「スーフィーが狙われたとは思わない。(事件の起きた)金曜日は、礼拝のためスーフィーもそうでない人も関係なく大勢集まる」と話した。
エジプト紙アルマスリ・アルヨウムは目撃証言として、武装集団が「モスクでの礼拝者だけでなく、家屋も襲撃した」と報道。襲われたモスクから離れた場所でも遺体が見つかったと伝えた。事実とすれば、モスクで礼拝中のスーフィーよりも、軍協力者と見なした住民を広範囲で標的とした可能性が高い。
一方、検察が「ISの旗を掲げていた」とする犯人像も依然不透明なままだ。同紙が報じた治安筋の情報では、武装集団は3グループに分かれ、顔を隠していなかったメンバーは外国人とみられるという。
犯行後、メンバーの1人が「ボス、すべてうまくいった」と電話で話していたとも伝えられ、シリアやイラクから流入した恐れのある外国人戦闘員が何らかの指示を受け、周到かつ組織的にテロを実行した疑いが強まっている。
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