真凜の連覇阻んだ15歳 初の大舞台へ

表彰式直後のザギトワ。本田真凜の世界ジュニアでの連覇を阻んだ、まだ15歳の選手である。 © photograph by ISU via Getty Images 表彰式直後のザギトワ。本田真凜の世界ジュニアでの連覇を阻んだ、まだ15歳の選手である。

 GPシリーズ第5弾、フランス杯は1968年五輪の地、グルノーブルで開催された。

 いよいよグランプリファイナルをかけたこのシリーズも後半に入り、女子はここで優勝したアリーナ・ザギトワ(ロシア)、2位のマリア・ソツコワ(ロシア)、3位のケイトリン・オズモンド(カナダ)の3人全員が、GPファイナル行きを決めた。

 15歳のザギトワは、SP『ブラックスワン』では珍しくジャンプミスが出て、SP62.46で5位スタートをきった。だが翌日のフリー『ドン・キホーテ』は、最後までノーミスで滑り切っていっきに逆転をはたした。

 3ルッツ+3ループなどを含むこのフリーは、彼女に昨シーズン世界ジュニアタイトルをもたらしたプログラムである。

自身初となる、シニアGPファイナルが決まったザギトワ。

 ザギトワは華やかな表現力を有する一方、スケーティングの質、フリーレッグの位置などまだまだシニアとしての課題はある。だが全ジャンプエレメンツを10%のボーナスポイントがつく後半に詰め込んだ難易度の高いプログラムでフリーは151.34と、ロシア杯のエフゲニア・メドベデワを上回るスコアを出した。

 総合213.80を獲得し、中国杯に続いて2度目の優勝を果たした。

「SPの演技には満足していません。けれどもフリーでは、できることは全て見せることができたと思います」とザギトワは会見で通訳を介してコメント。

 これで、初のシニアGPファイナルに挑戦できることとなった。

ソツコワ2位、オズモンドは3位でファイナル出場決定。

 2位だったマリア・ソツコワはフリー、ドビュッシーの『月の光』で3ルッツ+3トウループなど7回の3回転ジャンプをミスなくきめて、フリー140.99で総合208.78を獲得。

 SPから通して大きなミスのない安定した演技で、スケートカナダに次いで2位に入った。

 ケイトリン・オズモンドはSPで1位に立ったが、フリー『ブラックスワン』で3ループの転倒などミスがあり137.72で4位。

 総合206.77で3位と表彰台にとどまり、昨シーズンに続いて2度目のGPファイナル進出となった。

SPで3位に立った白岩優奈。

 今季がシニアGPデビューの白岩優奈は、SPで思い切りの良いノーミスの演技を見せて66.05で3位にたった。

 SP後の会見で「今シーズン一番の演技ができて少しほっとしています」と笑顔を見せた。

 順位については、「ここでこうやって答えているのが自分自身すごくびっくりしています」とコメント。

 前回のNHK杯の経験から何を学んだかと聞かれて、「NHK杯では、自分の求めているものがすごく高くて、そこにまだ自分が到達できていないというところから不安になって、怖くなってしまって失敗したと思っている。今回の試合は何も考えずに、自分の演技を楽しもうと思って演技しました」と語った。

総合6位も、白岩自身の手ごたえは「まずまず」。

 翌日のフリー『展覧会の絵』では、明るい笑顔で氷上の中央に立った。

 出だしの3ルッツ+3トウループから、次々とジャンプを勢いよく決めていき、最後の3ループで転倒したのが、唯一の大きなミスだった。

 同行していた田村岳斗コーチに、そのジャンプの直前のレイバック・スピンのレベルをしっかり取るように注意を受けていて、「スピンの意識が大きかったのでその部分での体力が崩れてしまった」と苦笑。スピンは最高のレベル4を獲得した。

 フリー127.13、総合193.18で6位だったが「ミス1つで127が出たのは、満足はしていないけれどまずまずという感じ」とこの大会での手ごたえを振り返った。

フリーノーミス、総合4位だった三原舞依。

 三原舞依はSP『リベルタンゴ』では、冒頭のコンビネーションジャンプの2つ目のジャンプの着氷でリンクの柵にぶつかりそうになってしまい、64.57で4位スタート。

 翌日のフリーでは映画『ミッション』のサウンドトラックから、『ガブリエルのオーボエ』のメロディにのって2度の3ルッツ+3トウループなど、合計7度の3回転ジャンプと2度の2アクセルをノーミスで降りた。フリー137.55で5位。総合202.12で順位は4位のままだったものの、演技の内容が良かったことに満足そうな笑顔を見せた。

 前日の失敗からどのようにして気持ちを切り替えたのかと聞かれると、昨シーズンの自分のフリー『シンデレラ』の演技の映像を見て、改めてスケートができることの感謝の気持ちを忘れずに滑ろうと思ったことが、理由であることを明かした。

「目標は210点を超えること」と三原。

 また、得点202.12についての感想を聞かれると三原は、「去年の自分だったらすごく喜んでいた。今年はハイレベルな戦いなので210点を超えるのは必須になってくるかなと。試合前は点数とか順位とか考えないですけれど、これから全日本やオリンピックとかたくさんの大舞台で、もし戦っていくとしたら点数も必要になってくると思うので、次の改善点を見つけていきたい」と意欲を語った。

 三原の言う通り、今シーズンのGPシリーズの女子は200点を超えても表彰台を逃す選手が続出している。昨シーズンと比べて、全体のレベルが底上げされていることが実感される大会となった。

日本女子でファイナル進出可能性は樋口新葉のみ。

 いよいよGPファイナルまであと残すは、スケートアメリカ1試合。

 日本女子で現在までにGPファイナル進出の可能性があるのは、ロシアで3位、中国杯で2位になった樋口新葉のみである。

 スケートアメリカにおいて、カナダで3位だったアシュリー・ワグナーかNHK杯3位だったポリーナ・ツルスカヤが優勝すればGPファイナル進出となり、樋口は補欠となる。

 最後までどうなるかわからない、波乱に満ちたGPシリーズとなった。

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