40年ぶりの長雨、商品売れ行きに明暗

「ガリガリ君」や「あずきバー」といった氷菓の売れ行きが苦戦している(編集部撮影) © 東洋経済オンライン 「ガリガリ君」や「あずきバー」といった氷菓の売れ行きが苦戦している(編集部撮影)  20日超にわたって雨に見舞われた首都圏。40年ぶりともされる長雨が、8月の消費を直撃している。 「ガリガリ君」シリーズなどの氷菓を販売する赤城乳業は長雨の影響で7月下旬〜8月中旬の売り上げが前年比10%超減に沈んだ。 井村屋も主力氷菓「あずきバー」が前年比若干のマイナスに。乳成分が多く含まれるアイスクリームは堅調を維持するが、最高気温が30度を超えるとよく売れる氷菓の苦戦が目立つ。関東の上場スーパーはほとんどが前年割れに 飲料も不調だ。サントリー食品インターナショナルは「ヨーグリーナ&サントリー天然水」などが好調で、7月の国内販売数量は過去最高となり、前年同月比11%増を記録。だが、長雨の影響で、8月中旬までの販売数量は前年を割った。「7月の勢いが続くことを期待していたのに残念」(会社側)。 最繁忙期を迎えたビールも「稼働日が1日少なかったこともあるが、20日までの販売は2ケタ減」(キリンビール)。 こうしたあおりを食っているのがスーパーだ。都内地盤の大手スーパーは「アイス、冷やし中華の売り上げが軒並み約2割減った。飲料もスポーツドリンクを中心に1割以上落ちている」という。 マルエツなどを傘下に抱えるユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングスも「これだけ天候が悪いと、熱中症対策などの企画が響かず、集客につながらない」と嘆く。関東の上場スーパーはほとんどが前年割れになりそうだ。 長雨に見舞われたのは屋外プールも同じこと。「東京サマーランド」は「雨が続き、中旬まで客数は3割減の状況」(親会社の東京都競馬)。よみうりランドは「プールの利用者は約4割減ったが、逆に遊園地はイベントが好調なこともあり、約3割増えた」という。 夏の風物詩であるビアガーデンにとっても痛手だ。明治神宮外苑の「森のビアガーデン」(ロイヤルホールディングスが運営)は中旬までの売上高が1割弱の減少。商業施設などでビアガーデンを運営するゼットンもやはり約1割減で推移しているという。ホットコーヒーやマスクが売れている 一方、季節外れなものが売れている。コンビニやスーパー各社のおでんが好調であるほか、「ホットコーヒーが8月に入って約3割の伸び」(ファミリーマート)。体調を崩す人が増えたのか、「この時期としては異例だが風邪薬、マスクが2ケタ増とよく売れている」(イオンリテール)。 やや回復傾向にあった国内消費はどうなるのか。8月14日に内閣府が発表した4〜6月期の実質GDP(国内総生産)1次速報では民間消費が前年同期比0.9%のプラス。家計の消費支出も6月は前年を上回り好調だった。 ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎・経済調査室長は「雇用者所得が増えていない。天候不順も下押しの一要因となり、7〜9月のGDPは0.1%のマイナスになる。所得支出もまたマイナスだろう」と予測する。 雨がやんだ21日以降からは、「森のビアガーデンの予約は前年比20%増になっている」(ロイヤルHD)。「9月の残暑が続けば、サマーランドも挽回のチャンスはある」(東京都競馬)。 ただ今後懸念されるのは、日照時間不足などで野菜が高騰し「より個人消費への影響が大きくなる」(斎藤氏)こと。長雨の影響はどう出るのか。

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