核問題で正恩氏軟化か、韓国特使歓迎
【ソウル米村耕一】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が5日夜、韓国側の特使団との会談に応じ、晩さん会まで開くという破格の対応を見せたのは、核・ミサイル開発に伴う現在の国際社会との行き詰まりを打開したいという意思の表れとみられる。北朝鮮としては核・ミサイルの開発や配備を継続する考えに変化はないものの、核問題を取り扱う協議そのものに反発してきたこれまでの立場から一定の軟化を示す可能性も出てきた。
北朝鮮外務省報道官は3日、米国が北朝鮮の核放棄に向けた米朝対話を要求していることを批判しつつも、「われわれが目指す対話は国家間の平等な立場で相互の関心事となる問題を論議、解決することだ」とも主張。米朝対話の中で、米国側が北朝鮮の核放棄を強く求めること自体は受け入れる姿勢を示した。
特使団受け入れにあたり、金委員長が初日から歓待する姿勢をみせたものの、肝心の核開発問題で従来の消極姿勢を示した場合、韓国側の立場は苦しいものとなる。6日に予定されている実務協議でもこの姿勢は貫かれることになり、米朝対話につながるような糸口を見いだせない懸念もある。
韓国側の公式的な説明では、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は1日にトランプ米大統領に特使派遣の意思を伝え、その翌日に北朝鮮側に特使派遣の連絡をした。どの段階で金委員長との会談が固まったか不明だが、韓国大統領府関係者によると、韓国側は特使団との会談を事前に把握していたという。
ただ、今回、極めて短期間に特使派遣と金委員長との会談がまとまったことから、伏線があったとみる向きもある。平昌(ピョンチャン)五輪の閉会式には、金委員長の側近である金英哲(キム・ヨンチョル)党副委員長(統一戦線部長)が、米国側からはトランプ米大統領の長女、イバンカ大統領補佐官がそれぞれ出席していた。金英哲氏は外務省の対米政策担当者、イバンカ補佐官も国家安全保障会議(NSC)の朝鮮半島担当者をそれぞれ同行させており、閉会式を機に、米朝間で何らかの実務的な議論が進められ、今回の金委員長の対応につながった可能性を指摘する見方もある。
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