パレスチナ、米和平案「受け入れず」

【AFP=時事】パレスチナ自治政府のマハムード・アッバス(Mahmud Abbas)議長は22日、米政府が提案するいかなる和平案も「もはや受け入れない」と述べた。米政府が来年提案する予定の和平案に先制攻撃を与えた形だ。

 中東各国では、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領がエルサレムをイスラエルの首都と認定したことに対する反発が続いており、欧州諸国の外交官らの間では、トランプ政権が水面下で策定を進め2018年にイスラエル・パレスチナの双方に提示する予定の中東和平案に対する悲観的な見方が広まっている。

 パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)とイスラエルの境界一帯では22日、米国の決定に対する「怒りの日」と題した抗議行動が繰り広げられ、若者らがイスラエル軍部隊と衝突。地元当局によると、パレスチナ人2人が死亡した。

パリのエリゼ宮に到着したパレスチナ自治政府のマハムード・アッバス議長(右)を迎えるエマニュエル・マクロン仏大統領(2017年12月22日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News © AFPBB News 提供 パリのエリゼ宮に到着したパレスチナ自治政府のマハムード・アッバス議長(右)を迎えるエマニュエル・マクロン仏大統領(2017年12月22日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

 パリでエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)仏大統領と会談したアッバス議長は、会談後の共同記者会見で「米政府が和平プロセスにおける不誠実な仲介役であると証明された。われわれはもはや、米国からのいかなる提案も受け入れることはない」と述べた。

 マクロン大統領は、米国によるエルサレムのイスラエル首都認定を改めて批判した一方で、フランスで議論されてきたパレスチナ国家承認の可能性については否定し、「米国は自らを周縁化したが、私は同じことをしないようにしている」と述べた。

【翻訳編集】AFPBB News

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