「地獄を見ろ」と怒声、アカハラ認定

 兵庫教育大大学院(兵庫県加東市)に在籍していた女性が、教授のアカデミックハラスメント(アカハラ)で精神的苦痛を受けたとして、当時教授だった男性と兵庫教育大に慰謝料約1千万円の支払いを求めた訴訟の判決が27日、神戸地裁姫路支部であった。惣脇美奈子裁判長は大学側がアカハラ行為を把握しながら放置したなどと認定し、大学と元教授に計130万円の支払いを命じた。

 原告は兵庫県内の中学教諭、是常(これつね)美穂さん(54)。惣脇裁判長は判決理由で「原告は元教授のアカハラ行為でゼミの移籍を余儀なくされ、研究活動に支障をきたした」とし、大学も適切な措置を取らなかったと指摘。元教授側は公務員の不法行為の責任は個人に及ばないと主張したが、「理由がない」と退けた。

 判決によると、是常さんは大学院在籍時の平成24〜25年、ゼミを指導していた元教授から「一から百まで言わんと分からんのか」「地獄を見ろ」と怒鳴られたり、研究データの削除を強要されたりし、ゼミの変更を余儀なくされた。

 判決後、会見した是常さんは「判決を機に、学生がアカハラの危機にさらされることなく、安心して学べる世の中に変わってほしい」と話した。

 兵庫教育大は「判決内容を精査し、今後の対応を検討したい」とし、元教授は「裁判所の判断を尊重する。原告の方にはおわび申し上げたい」としている。

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