練習不足とコーチ叱責、真凜に黄信号

五輪の舞台に立てば、テレビ各局はうれしいだろうが……(c)朝日新聞社 © dot. 五輪の舞台に立てば、テレビ各局はうれしいだろうが……(c)朝日新聞社

 女子フィギュアスケートで“ポスト浅田真央”として注目を浴びる本田真凜(16)が、年明けに迫った平昌(ピョンチャン)五輪の出場を占う重要な国際大会で5位に沈み、五輪代表の座を巡り、黄信号がともった。

 本田といえば、2016年世界ジュニアフィギュアスケート選手権で優勝し、シニアデビューとなった今年9月のUSインターナショナルクラシックでも優勝し、一躍脚光を浴びた。可愛らしい容姿で、雑誌の表紙を飾ることもあり、順風満帆なスタートを切ったかに見えた。

 しかし、10月27日(日本時間28日)開幕のグランプリ(GP)シリーズ第2戦スケートカナダで、落とし穴が待っていた。ショートプログラム(SP)ではジャンプなどミスが続いて10位と出遅れ、フリーで挽回(ばんかい)したが、総合5位に終わった。本田は、

「もう悪い演技を使っちゃったから、あとはいい演技が残っている。大丈夫と思います」

 と今後に向けて自信を見せた。対照的に、本田を指導する浜田美栄コーチの手厳しいコメントは波紋を呼んだ。

「まずはちゃんと練習してやることを覚えてほしい。アスリートとしては粘着質なところがなさすぎる。昨日落ち込んでいても、翌日になったら忘れるタイプ」

 平昌五輪の代表は2枠。宮原知子、三原舞依、樋口新葉といった強力なライバルたちとしのぎを削ることになる。スポーツライターの折山淑美さんは、

「現時点では、宮原選手、三原選手が実力的には上で、樋口選手が続きます。本田選手はその次ぐらいじゃないでしょうか」

 と分析する。それでは、本田の出場は限りなく難しいのだろうか。折山さんはこう続ける。

「浜田コーチは練習熱心な宮原選手も指導するので、本田選手の練習不足を感じるのでしょう。ただ、本田選手は天才肌で、演技に華があり、あの天真さはジャッジ受けします。今回のつまずきがきっかけで、全日本選手権までに立て直せたら、代表の座をつかむチャンスはあるでしょう」

本田は結局、11月4日のGPシリーズ第3戦(北京)も第2戦と変わらず。総合5位だった。

 代表の1枠は12月の全日本選手権優勝者、もう1枠は同選手権2、3位やGPファイナルの日本勢上位2人といった中から選ばれる。天才肌の美人スケーターの出場を、テレビ各局は願っているだろうが……。(本誌・大塚淳史)

※週刊朝日  2017年11月17日号

Category: ,