米政権、対北朝鮮の圧力極大化へ
© 産経新聞 提供 トランプ米大統領=5日午前、東京・米軍横田基地(松本健吾撮影)
【ワシントン=黒瀬悦成】トランプ米政権は、北朝鮮が米本土を脅かすICBM技術の完成に一段と近づいたとみて、北朝鮮船舶に対する海上臨検などを視野に入れた「平和的圧力」を極限まで徹底していく構えを強く打ち出した。
トランプ政権は、北朝鮮が来年中に核搭載可能なICBMを保有する恐れが強いとみて、核弾頭の小型化やミサイルの再突入技術の確立につながる実験を行うことを強く警戒してきた。
実際、マティス国防長官は28日、今回の発射は北朝鮮の実戦的な核戦力の整備に向けた「研究開発」の一環との認識を示し、「世界と地域の平和、米国を危険に陥れる脅威」と訴えた。
また、ミサイルが米全土に到達可能となったとみられることで、米政権は経済・外交圧力の限界を試す、ぎりぎりの圧力強化策を追求していく方針だ。
ティラーソン国務長官が28日、公海上での臨検措置を視野に「北朝鮮に出入りする海上輸送の阻止を含む海洋安全保障の強化」を提唱したのは、米国と国際社会の対北圧力が新段階に入りつつあることを意味する。注目されるのは、米国が今回、海上臨検などの措置実施に向け、朝鮮戦争の国連軍に参加した米英など16カ国を軸とした枠組みを新たに設定したことだ。
米国が海上輸送阻止を訴えたとしても、中国から十分な協力を得られる見込みは低い。そうした中、米国が中国やロシアを含まない「国連軍」を率いる構図を前面に出してきたのは、米国が中国を当てにせず、北朝鮮が臨検を「戦争行為」と受け取るのを承知で北朝鮮の海運の命脈を絶つ覚悟を示す狙いがある。
米韓とオーストラリアの海軍は今月上旬、北朝鮮船舶の臨検を想定した訓練を実施。ティラーソン氏は「外交的選択肢」は開かれているとしたが、一連の動きは米政権が北朝鮮にこれまで以上に「軍事的選択肢」の現実味を印象づけるものといえる。
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