村田&中田、ドミノ式に決まる移籍先
ドラフトの結果に野球人生を左右されるのは、指名候補の若者だけではない。巨人を自由契約になった村田修一(36)、国内FA権を取得した日本ハム・中田翔(28)両内野手の進路もドミノ式で決まる。
クライマックスシリーズ(CS)終了から一夜明けた25日、第2次戦力外通告がスタート。26日のドラフトで狙い通りの指名ができた球団は、第1次で通告を保留した選手の中から余剰戦力をカットすることになる。逆に失敗ドラフトの恩恵で、クビを免れる“窓際族”もいるだろう。
特に早実高・清宮、履正社高・安田ら超高校級スラッガーの行方は、今オフに移籍が取り沙汰される大物野手にとって他人事ではない。未来の主砲候補の交渉権を手にした球団がわざわざ、役割の重なる村田や中田に食指を動かすことは考えにくいからだ。
昨季の村田は三塁手でベストナイン、ゴールデングラブを同時受賞したが、今オフは一転して戦力外に。現役続行を望む本人は「こうなった以上、選ぶ権利はない」と11球団OKを打ち出し、先発起用にもこだわらない姿勢だ。だが実績と影響力が逆にアダとなり、正三塁手不在の球団ですら及び腰の現状にある。
それでもドラフト後には、清宮や安田と縁がなかった球団が、村田獲りに切り替える可能性も高まる。今季年俸2億8000万円で、FAなら人的補償まで求められる中田よりも、交渉のハードルははるかに低い。
中田は春先まで阪神へのFA移籍が鉄板視されていたが、今季は打棒が振るわずトーンダウン。流失を覚悟してきた日本ハムも積極的には慰留しないため、買い手市場で商談は後回しに。各球団の村田や新外国人選手の補強が片付くまで、忍の一字だ。本人は「いろんな話を聞けたらいい」と鷹揚に構えるが、FA権の扱いに頭を悩ませることになる。