正恩氏「ミサイルはグアムへの前奏」

 【ソウル米村耕一】北朝鮮の朝鮮中央通信は30日、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が29日に平壌で行われた中距離弾道ミサイル「火星12」の発射訓練を視察したと報じた。29日朝に北海道の上空を通過し太平洋上に落下した弾道ミサイルを指すとみられる。金委員長は発射実験について「侵略の前哨基地である(米領)グアムをけん制するための前奏曲」だと説明したうえで、「今後も太平洋を目標とした弾道ミサイル発射訓練を多く行わなければならない」と述べて、ミサイル発射実験の継続を指示した。

 朝鮮労働党機関紙「労働新聞」も、日本列島を中心に据えた地図を見ながら「火星12」の発射実験を見守る金委員長の姿など写真23枚を掲載した。

 朝鮮中央通信によると、今回の発射実験は米韓合同軍事演習に対抗する武力示威として行われた。「弾道ミサイルは予定された飛行軌道で北海道の渡島半島上空を通過し、北太平洋の設定された目的水域に命中した」とも指摘し、金委員長は結果に「大満足の意」を表したという。

平壌で行われた中長距離戦略弾道ミサイル「火星12」の発射訓練を視察する金正恩朝鮮労働党委員長=2017年8月29日、朝鮮通信 © 毎日新聞 平壌で行われた中長距離戦略弾道ミサイル「火星12」の発射訓練を視察する金正恩朝鮮労働党委員長=2017年8月29日、朝鮮通信

 また、金委員長は「米国とは言葉だけではだめで、行動で見せなければならないというのが改めて見いだした教訓だ」と述べ、「われわれは米国の行動を引き続き注視し、それに従って今後の行動を決める」と強調した。北朝鮮は今月初めにグアムに対する包囲射撃計画を検討していると発表しており、その計画と関連した発言だとみられる。

 一方、朝鮮中央通信は「火星12」を発射した8月29日が日韓併合から107年に当たるとも指摘。ミサイル発射は、そうした日に日本国民を「気絶するほど驚かせる大胆な作戦」で「われわれ人民の積もった無念さを晴らすものだった」とも説明して、今回のミサイル発射に国内向けの側面があったことも明らかにした。

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