巨人とヤ軍、似て非なる日米名門球団

 3年連続V逸が見えてきた巨人。再建のヒントとなるのが、米大リーグ・ヤンキースが名門復活のため断行した世代交代だ。だが両球団のOB、松井秀喜氏(43)の教え子2人が今季ブレークした経緯を見る限り、巨人の夜明けは遠い。

ここが違う!巨人とヤ軍、似て非なる日米名門球団 松井氏“教え子”2人のブレーク経緯が象徴: 松井氏はヤンキースと巨人の違いを肌で感じているのではないか © zakzak 提供 松井氏はヤンキースと巨人の違いを肌で感じているのではないか

 松井氏は25日、自身が設立したNPO法人「松井55ベースボールファウンデーション」の野球教室を古巣巨人の2軍本拠地、ジャイアンツ球場(川崎市)で開催。日本では3度目、今回は初の親子参加形式で、全国から49組が参加した。

 イベント終了後、セ・リーグ5位に沈む巨人について報道陣から問われた松井氏は「まだ(シーズンの)半分もいってない。日々、報道しなくちゃいけないので、大変だろうと思いますけど、シーズン終わってから振り返りましょうよ」と渋い表情を浮かべた。

 一方で昨オフに巨人から日本ハムに移籍した、大田泰示外野手(27)の活躍には「彼の努力でしょう」と笑顔。巨人の春季キャンプで臨時コーチとして直接指導した“未完の大砲”は、新天地で9本塁打を放ち、早くも過去8年間に巨人で放った通算本数に並んだ。松井氏は「彼の才能は誰もが分かっていた。あとは彼の努力が実ったんじゃないでしょうか」とたたえた。

 GM特別アドバイザーを務めるヤンキースでも今季、マイナー選手時代に指導した新星が才能を開花させた。

 メジャー昇格2年目のアーロン・ジャッジ外野手(25)。ア・リーグトップの26本塁打の大爆発で、松井氏は「彼の努力でしょう」と同じ賛辞を贈った。

 メジャーの常勝軍団ヤンキースは2013、14年に2年連続でプレーオフを逃し低迷。15年も地区2位で進んだプレーオフ初戦に敗れたが、同オフは球団史上初めてFA市場から手を引いた。

 昨季はベテラン主力勢に大ナタを振るい4位に終わったものの、途中から積極起用したジャッジら若手生え抜きが台頭。今季は地区首位を快走している。

 だが、こうした目先の勝利を度外視した世代交代に、巨人が舵を切るのは難しそうだ。13日に就任した石井一夫・新球団社長は“ヤンキース式”の再建に否定的。「なかなか難しい問題だとは思うが、やはり巨人軍は勝ってナンボの球団。欲張りな話で机上の空論かもしれないが、(勝利と育成の)どちらにも目を注いでやっていければ」と語っている。

 実際に昨季はV逸決定後も、2位を死守するためベテランをフル稼働させた。もし腹をくくってヤングGの育成に切り替えていれば、放出前に大田が覚醒への足がかりをつかめた可能性もある。ジャッジのような“お家再興”の旗手が、巨人の生え抜きから躍り出るのはいつの日か。 (笹森倫)

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