巨人山本泰寛「平均点」からの脱却
© スポーツ報知/報知新聞社 走塁練習で俊足を披露する山本
巨人の若手にスポットを当てるインタビュー企画「巨人新時代へ チャンスだ」は山本泰寛内野手(24)。二塁の定位置確保に向けて「平均点」からの脱却を掲げた。(取材・構成=長井 毅)
サンマリン宮崎でのシート打撃。山本は高木勇の直球を振り抜くと、強烈なライナーが中前で弾んだ。カウントの設定は2ボール。打者はファウルやストライクで交代となるルールで、5打数3安打の固め打ちを披露した。「真っすぐに打ち負けないように1球で仕留める打撃を磨いています」と力を込めた。
今季は開幕2軍スタート。1軍定着を狙ったが29試合出場にとどまった。
「1軍で継続して結果を出す難しさを感じました。プレッシャーがある中、良い選手がいる中で『結果を残したい』と思いすぎるのもよくない。(ミスをして)毎試合、気持ちの切り替えができなかった。打てなかったら『ああ、もう次の試合に出られないな』とか考えてしまっていた」
“平均点”からの脱却も目指す。
「自分は目立つもの、特化したものがない。(吉川)尚輝なら足とか守備範囲があるけど、全てにおいて高いレベルにいかないとレギュラーは取れない。(高橋)監督から見て安心感のある選手になりたいです」
生きた教材を手本に打撃向上を狙う。
「パワーアップの面ではウェートトレはしっかり続けていきたいと思うし、スイングスピードはまだまだ足りない。率を残せる打者はスイングスピードは速い。ヤクルトの山田さんや坂本(勇人)さんも一瞬の『ビャッ』って感じがすごい。DeNAの宮崎さんもそう。もう一段階、上がるためにも振り込んでいきたい」
秋季キャンプでは投手寄りのポイントで打つことを実践。来季の目標も掲げた。
「僕みたいなタイプは出塁率より打率が見られる。打率は3割打たないと使ってもらえない。長打も年間10本塁打は打ちたい。来季は1軍にずっと居続けられるようにしたい」
◆山本 泰寛(やまもと・やすひろ)1993年10月10日、東京・荒川区生まれ。24歳。慶応高では3年春に神奈川県大会Vも甲子園出場なし。慶大では1年春からリーグ戦出場。15年ドラフト5位で入団。今季は29試合に出場し打率1割8分2厘、1本塁打、7打点。176センチ、76キロ。右投右打。年俸1280万円。