震災語り継ぐ、東松島市に祈念公園
© 産経新聞 提供 被災したJRの旧野蒜駅跡地に整備された「東松島市東日本大震災復興祈念公園」の完成式典=5日、宮城県東松島市(塔野岡剛撮影)
世界津波の日の5日、東日本大震災で1109人が犠牲になった宮城県東松島市で、震災の記憶と教訓を後世に伝えるため、JR仙石線旧野蒜(のびる)駅近くに整備された震災復興祈念公園の完成式典が開かれた。
震災遺構となった旧野蒜駅プラットホームを中心に整備された公園は約1万6千平方メートル。野蒜地区を襲った津波の高さと同じ3・7メートルのモニュメントが設置され、犠牲者全員の名前が刻まれている。
式典には遺族や関係者ら約600人が出席。渥美巌東松島市長(70)は「震災を風化させず、語り継いでいく。公園が遺族の方々の心のよりどころとなってほしい」とあいさつ。
震災で夫と弟夫婦を亡くしたという東松島市の音羽恵美子さん(79)は「公園ができてうれしい。モニュメントの名前を見るだけで、亡くなった家族に会える気がする」と穏やかな表情で話した。