白物家電好調、売り上げ中心は高額品

エコポイント購入の買い替え本格化

 国内の白物家電の売れ行きが好調だ。機能性の高い美容家電が女性の人気を集めているほか、共働き世帯の増加に伴い、家事の時間を節約できる大容量の洗濯機など高額品を中心に売り上げが伸びている。

 「お顔をリフトアップするように下から上に動かしてください」。東京・銀座のパナソニックのサロンでは、専門スタッフが肌に張りを与える美顔器の使い方を女性客にアドバイスしていた。サロンは昨年9月にオープン。髪の毛を乾かすだけでなく、きれいに整える2万円前後のドライヤーなど、高額な美容家電がそろっており、無料で体験できる。「買う前にきちんと効果を試すことができる」と仕事や買い物帰りの女性客に好評だ。

 家電の大半が買い替え需要とされる中、パナソニックは美容家電で新たな需要の取り込みに成功しており、2018年の美容家電の売り上げは10年前の1.5倍になると見込む。久保清英ビューティ商品担当課長は「家事や仕事に忙しくても美しくありたい女性に向けて更に市場を開拓したい」とサロンに期待する。

 日本電機工業会によると、白物家電の国内出荷額は1991年にピークの約2兆7000億円を記録。しかし、普及が一巡したことや、景気低迷による買い替え需要の低迷などで減少に転じ、03年には2兆円を下回る水準まで落ち込んだ。

専門スタッフの指導によりパナソニックの美容家電を試すことができる=東京都中央区のパナソニックビューティーサロン銀座で2018年1月26日、古屋敷尚子撮影 © 毎日新聞 専門スタッフの指導によりパナソニックの美容家電を試すことができる=東京都中央区のパナソニックビューティーサロン銀座で2018年1月26日、古屋敷尚子撮影

 その後は2008年のリーマン・ショック後に急減した販売を支えた家電エコポイントの効果などで回復傾向となり、昨年は前年比2%増の2兆3479億円と97年(2兆3558億円)以来、20年ぶりの高水準だった。

 出荷額の増加をけん引しているのは冷蔵庫と洗濯機だが、出荷数でみると、冷蔵庫はこの10年で約1割減少、洗濯機もほぼ横ばいだ。しかし、高価格帯の売り上げが増えていることから、出荷額ではいずれも約2割上昇。最近では、エコポイントで購入した商品の買い替えが本格化していることも追い風になっている。

 高額品が売れている背景には、需要の変化をとらえたメーカー側の商品開発がある。大手百貨店、ビックカメラの広報担当者は「週末にまとめて食材の買い物をしたり洗濯したりする人が増えるなど、共働き世帯の増加に伴い需要が変化している」と語る。

 日立製作所は業界最大級の12キロの大容量でまとめ洗いができ、乾燥機能が付いたドラム型洗濯機を発売。三菱電機は生乾きを大幅に減らした衣類乾燥除湿機を発売し、在宅率の低い共働き世帯に人気だ。シャープは材料を入れるだけで簡単に煮物が作れる自動調理鍋が「料理の時間を減らして他の家事や育児ができる」と好評だ。【古屋敷尚子】

白物家電

 洗濯機や冷蔵庫、炊飯器、電子レンジなど生活に密着した家電製品のこと。普及し始めた当初、白色の製品が多かったことから「白物」と呼ばれるようになった。国内出荷量を調査する日本電機工業会は現在、約40品目を対象品目にしている。

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