相次ぐ退団、岐路迎えた「松坂世代」
© 産経新聞 提供 2017年3月、投球するソフトバンク・松坂大輔=ヤフオクドーム福岡(撮影・仲道裕司
プロ野球界で豊作と言われ、数多くの選手が活躍してきた「松坂世代」の退団が相次いでいる。1980年度生まれの象徴となった松坂大輔は、3年間在籍したソフトバンクの退団が決まり、現役続行を目指して移籍先を模索している。今季を36歳で迎え、変わらぬ存在感を示した選手がいる一方、岐路に立つ選手も多くなっている。(丸山和郎)
「戦力としては厳しい」
松坂はチームが2年ぶりに日本シリーズを制した翌日の11月5日に退団が発表された。2015年に米大リーグから日本球界に復帰し、3年総額12億円(金額は推定)という大型契約を結んだが、右肩の不調が続き、3年間で1軍登板はわずか1試合にとどまった。
球団を通じて「いつかまたグラウンドでファンの皆さまに再会できることを信じて、前を向き続けていきたい」とコメントした。ただ、古巣の西武の渡辺久信シニアディレクターが「功労者ではあるが、戦力としては厳しい」と獲得に否定的な見解を示したように、今後獲得に名乗りを上げるチームが出てくるかは不透明だ。
松坂世代は現在36〜37歳。世代交代の波に押され、高額年俸に見合う活躍ができなければ、厳しい立場に追いやられるのは宿命だ。
巨人を自由契約となった村田修一も今季は118試合に出場したが、チームの若返りの方針に伴い、球団を去る形になった。移籍先はまだ決まっていないが、他球団でのプレーに意欲をみせる。
現役続行に意欲を見せるが…
DeNAを戦力外になった久保康友も通算100勝まであと3勝に迫っていて、現役続行に意欲的だ。広島で活躍してきた梵英心(そよぎ・えいしん)も自由契約となったが、今季は1軍出場機会がなく、自ら退団を申し出て、新たなチームを求める形になった。
松坂世代の中には新垣渚(元ソフトバンクなど)や久保田智之(元阪神)ら故障がきっかけになって、すでに現役引退した選手も多いが、大きなけががなければ、まだ働ける年齢でもある。
退団する選手が増える一方、活躍を続ける選手も。阪神の藤川球児がその一人だ。今季はリリーフとして52試合に登板。シーズンが終盤に近づくにつれ、大事な局面で起用されるケースも増えた。
ソフトバンクの和田毅は左肘手術の影響もあってシーズンでは4勝にとどまったが、日本シリーズで先発するなど存在感をみせた。
名だたる選手が多い松坂世代だが、実は名球会入りしている選手はまだ一人もいない。名球会入りの条件は打者なら通算2千安打以上、投手なら通算200勝以上か、通算250セーブ以上。松坂も日米通算164勝にとどまっていて、200勝到達は厳しい状況。最も近いのが巨人を戦力外になった村田で、通算2千安打まであと135本に迫っており、現役続行にこだわりをみせる理由の一つになっている。
同年代の選手たちはみな、高校時代から「平成の怪物」と呼ばれて甲子園で活躍した松坂の姿を目標にしてきた。藤川もかつて「彼を追いかけてやってきた。松坂がいるから頑張れる」と話したことがある。2000年以降の球界を彩ってきた「松坂世代」がもうひと花咲かせられるか。このオフは大きな局面を迎えている。
