兵庫の内陸部にウナギ会社がある理由

届いたばかりの大量のウナギ=三田市田中、フジ物産三田営業所 © 神戸新聞NEXT/神戸新聞社 届いたばかりの大量のウナギ=三田市田中、フジ物産三田営業所

 のどかな田園風景が広がる兵庫県三田市高平地域に、ウナギを出荷する会社がある。建物の中に入ると、生きたウナギが入った容器が山積みにされ、天井から水が降り注いでいた。中央のいけすでは、大量のウナギが泳いでいる。それにしても、どうして三田でウナギ?(山脇未菜美)

 「ウナギは水が命。水がきれいで、ウナギを2日間浸すと臭みが抜けて、癖のないおいしさになるんです」。教えてくれたのは、三田市田中にある水産加工販売会社「フジ物産」三田営業所の杉本武揚所長(42)。地域を流れる羽束川から取水し、ウナギを浸す。羽束川の水は鉄分が少なく、ミネラルが豊富で、ウナギの身を締めるのに適しているという。

 同社は静岡市を拠点に、ウナギの養殖や加工販売を手掛ける。三田に営業所を設けたのは約10年前。価格の安い中国産を取り扱うため、大阪国際空港(伊丹市)近くで、良質な水に恵まれた地域を探した。高平の水のうわさを耳にし、営業所を置くことにした。

 中国から輸入されたウナギは三田に運ばれ、従業員が大きさを見極めて「大」「中」「小」に分類する。「見た目と触った時に分かる。10年以上やってるからな、慣れよ」。ウナギに携わり13年という新立勝之さん(38)=同市あかしあ台=が笑う。

 仕分けしたウナギは底に穴があいた容器に3~5匹ずつ入れ、積み上げる。天井から羽束川の水を流し続けてウナギを洗い、京阪神を中心に出荷される。

 通常1日の出荷量は約2トンだが、現在は25日の「土用の丑の日」に向けてピークを迎えており、毎日10トン以上を送り出している。同社は「ウナギはビタミンが豊富で夏バテにも効果がある。おいしいウナギで暑さを乗り切って」としている。

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