東芝債権者、広がる法的整理の支持
【東京】東芝の半導体メモリー事業の売却計画が膠着(こうちゃく)状態に陥る中、同社の再生に向けた最良の道として複数の債権者や関係者が法的整理を求めている。
東芝の再建計画に関わっている弁護士、取引先や主要取引行の関係者などは法的整理について、真剣に検討する価値があると述べた。そのうち数人は、法的整理が残された選択肢の中で最良の案であり、東芝や債権者との協議の中でそれに対する支持を訴えていると述べた。東芝は、3月に米連邦破産法11条の適用を申請した米原子力子会社ウエスチングハウス(WH)に対する債務保証を履行することになっている。東芝自身が法的整理を申請すれば、そうした債務などの負担から逃れられ得ると、これら数人の関係者は述べた。
東芝の綱川智社長は先日の記者会見で、法的整理による債務削減は選択肢にないと述べた。東芝の広報担当は今週、法的整理を申請するという「具体的な予定はない」と繰り返した。
協議内容に詳しい関係者によると、政府関係者や東芝幹部は、米国で政治的な反発を招くなどの悪影響が出かねないことを認識しているため、法的整理には踏み切れないかもしれないという。
東芝の再建計画の一部に直接関与している関係者は、法的整理を検討すべきだと「みんな思っている」が、言い出すのは難しいと語った。
ある主要行での協議内容に詳しい別の2人は、仮に半導体メモリー事業の売却で債務超過状態を一時的に抜け出せても、また再びその状況に陥る可能性が捨てきれないとの見方を示した。
東芝の広報担当者は、半導体メモリー事業を現在想定している規模で売却できれば「資金は十分に確保できるものと考えている」と述べた。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券のクレジットアナリスト、安蒜信彦氏は12日のリポートで、「取引金融機関の支援姿勢が後退し、資金繰りが厳しくなることで、法的整理の決断を後押しするような可能性を完全に排除することはできないだろう」との見解を示した。
それでも同氏は取引行が東芝への支援を当面続けるとみている。取引先のサプライヤーは数千社に上るため、東芝の支払いが止まれば経済に幅広く影響が及ぶとみられる。
ある政府当局者は、東芝の法的整理が選択肢の1つだとしながらも、日本が米国の原発事業を巡る約束を破ったと批判される恐れがあるため、有力な選択肢ではないと述べた。
