ノーシードで4強 東亜が奇跡の大逆転

ミラクル東亜、九回二死から9点!ノーシードから快進撃4強入り/東東京: 大逆転に成功した東亜学園ナインは、応援席にあいさつ。スコアボードの九回表には「9」が刻まれていた (撮影・佐藤徳昭) © サンケイスポーツ 提供 大逆転に成功した東亜学園ナインは、応援席にあいさつ。スコアボードの九回表には「9」が刻まれていた (撮影・佐藤徳昭)

 第99回全国高校野球選手権大会地方大会(24日、神宮ほか)23大会で52試合が行われた。東東京準々決勝では、昨夏準優勝の東亜学園が修徳に10-7で逆転勝ち。1-7と6点ビハインドの九回二死二塁から9点を奪う“ミラクル勝利”で、4強入りした。埼玉準決勝では、花咲徳栄が山村学園に七回コールド、11-1で勝利。プロ注目の西川愛也(まなや)外野手(3年)がランニング満塁本塁打を放った。熊本は秀岳館が2年連続3度目、岩手は盛岡大付が2年連続10度目、長野は松商学園が9年ぶり36度目の出場を決めた。

 野球は2アウトから-。その言葉通りのドラマが待っていた。1-7の九回二死二塁から、2四球を挟み7連打の猛攻で一挙9得点。これぞ“ミラクル東亜”の逆転劇だった。

 「我慢してコールド(負け)だけをしのげれば、何かやってくれるかな、とは思っていました。粘りと我慢が信条ですが、正直びっくり」

 チームを3度の甲子園出場に導いた上田滋監督が定年で退任し、今年4月に就任した教え子の武田朝彦監督(39)も、目を丸くした。

 1-2の六回に5点を失って1-7。七回以降は7点差になればコールド負けという瀬戸際で、あと1点を懸命に守った。七回、八回とも得点圏に走者を進められながら懸命にしのぎ、突入した九回だ。

 先頭の4番・土岐大聖遊撃手(3年)が中越え二塁打で出塁。しかし、あっさり二死二塁に。敗色はさらに濃くなったが、代打・上西が左前適時打。すると球場のムードは高まり、連打の嵐だ。1点差に迫ると、土岐がこの回の2度目の打席へ。二死二、三塁から直球を振り抜き、右中間への2点二塁打だ。「うちのペースだったので、強気でいけました」。ついに逆転に成功。続く九回から代打で出場の友田が左越えに2ランを放ち、10-7とした。

 涙から1年。リベンジの舞台に一歩近づいた。昨夏は決勝で延長戦の末に関東第一に3-4でサヨナラ負け。「7番・右翼」で先発した土岐は「忘れたことはない」と、当時のメンバー表を自宅の机に貼っている。

 中野区にあり、2013年の再編で東東京へ。西東京大会を制した1989年を最後に、甲子園から遠ざかっている。同校は、83年に男子バレーボール部がノーマークから「春の高校バレー」を制してついた“ミラクル東亜”のフレーズが有名だ。「挑戦者なので、一戦必勝。今年らしい展開で勝ちたい」と土岐。今年は野球部が、ノーシードから28年ぶり4度目の頂点に駆け上がる。 (中田愛沙美)

ミラクル東亜

 東亜学園の男子バレーボール部が、1983年の「春高バレー」でノーマークながら優勝。日本代表監督も務めた故松平康隆氏により「ミラクル東亜」と称された。2007年にも伝統のコンビバレーと3枚ブロックを武器に春高を制して「ミラクル東亜の再来」といわれた。

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