巨人の若手は本当に育っていないのか
© サンケイスポーツ 提供 25日の中日戦でサヨナラ打を放ち、喜びを爆発させた巨人・石川
巨人の若手が育っていない、という話をよく耳にする。確かに阿部が38歳、村田が36歳、長野が32歳と主力の高齢化が進んでおり、主将を務める坂本勇も28歳。球団OBに話を聞くと、「坂本勇以後の若手が伸び悩んでいる。20代前半の元気な選手が少ない」という見解で一致する。
ただ、今季の開幕のスタメンの平均年齢を計算してみると、巨人は28・9歳で、セ・リーグでは2番目に若かった(最も低いのがDeNAの27・6歳、最も高いのがヤクルトの30・4歳)。首脳陣も世代交代を意識しながらの起用を続けている。
次世代の台頭も始まっている。“核”として期待できそうなのが、現在23〜24歳の「1993年生まれ世代」だ。筆頭は石川慎吾。スイングスピードの速さだけでなく、状況に応じた打撃ができるのも魅力。26日の中日戦(東京ドーム)ではプロ初のサヨナラ打を放ち、ヒーローにもなった。
日本ハムからのトレードで今季から加入したばかりだが、「昨季の巨人は12球団で唯一『25歳以下の本塁打』がゼロ」という報道を目にすると、「巨人の一員として若手が育っていないと思われるのは悔しい」と発奮する頼もしさもある。打率・246で60試合、3本塁打はすでに自身最多となっている。
石川は高卒6年目だが、大卒2年目の山本(慶大)、重信(早大)らも同じ世代。“早慶コンビ”の2人は大学時代から親交があり、切磋琢磨(せっさたくま)してきた。
切れのあるスイングにバントなどの小技もそつなくこなす山本は、長年にわたって定着する選手が現れない二塁手のレギュラーを狙っており、「そこはチャンスだと思っている」と眼光を鋭くする。重信は試合終盤に代走として起用されることが多く“切り札”として存在感がある。
球界を見渡せば、この世代には武田(ソフトバンク)、近藤(日本ハム)、高山(阪神)、今永(DeNA)と将来を予感させる選手が並ぶ。チームの浮上に新戦力の台頭は不可欠。巨人の若き「93年組」に注目だ。(伊藤昇)
