オランウータン新種発見も絶滅の恐れ
【サンフランシスコ=三井誠】インドネシアのスマトラ島に生息するオランウータンの集団が新種だったとする研究成果を、インドネシアやスイスなどの研究チームが発表した。
新種は生息地の地名にちなみ、タパヌリオランウータンと名付けられた。生息数は800頭以下とみられ、チームは「絶滅の恐れが大きい」として保護を求めている。
論文が米科学誌カレント・バイオロジーに掲載された。大型類人猿はこれまでオランウータン2種、ゴリラ2種、チンパンジー、ボノボの計6種だったが、7種に増えることになる。
チームは、インドネシア・スマトラ島北部にすみ、1990年代に生息が確認されたオランウータンの集団の遺伝的な特徴を、既存のボルネオオランウータン、スマトラオランウータンと比べた。その結果、タパヌリの系統から約340万年前にスマトラが分岐し、その後、約70万年前にボルネオが枝分かれしたと推定された。タパヌリの体毛は、スマトラより縮れ、ボルネオよりシナモン色が濃いという。
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