DeNAに「逆転V率100%」の吉兆データ

DeNA・筒香、シリーズ初アーチ!吉兆データ“逆転V率100%”: ファンの声援に応えるDeNA・筒香=横浜スタジアム(撮影・荒木孝雄) © サンケイスポーツ 提供 ファンの声援に応えるDeNA・筒香=横浜スタジアム(撮影・荒木孝雄)

 SMBC日本シリーズ第5戦(DeNA5-4ソフトバンク、ソフトバンク3勝2敗、2日、横浜)ついに出た、筒香弾!! 「SMBC日本シリーズ2017」第5戦が行われ、セ・リーグ3位のDeNAが、パ・リーグ覇者のソフトバンクに5-4で勝ち、対戦成績を2勝3敗とした。負ければ目の前で胴上げを許す崖っぷちで、主砲の筒香嘉智外野手(25)が0-1の四回に、1号2ラン。2-4の六回にも適時二塁打と、窮地で快打を連発し、19年ぶりの日本一へ可能性をつないだ。第6戦は4日、福岡・ヤフオクドームに戻って開催される。

 主砲が勢いを呼び込んだ。流れを変えた。ここまでシリーズ4試合で打率・250、打点ゼロ。本調子ではなかった筒香が、ハマスタでの今季最終戦で目を覚ました。

 「ホームランは意識していませんでした。僕が打ったどうこうよりも、(打線が)つないで点を取ったことが大きいかなと思います」

 1勝3敗で、負ければシーズン終了の崖っぷち。しかもレギュラーシーズンで先制すれば73勝9敗だったソフトバンクに、一回に1点を奪われた。漂った嫌なムードの中で迎えた四回だ。二死二塁で、筒香はバンデンハークの153キロの直球をバックスクリーン左へ運んだ。シリーズ通算18打席目で飛び出した主砲の一発に、横浜スタジアムは大歓声に包まれた。

 五回に2-4と再逆転されたが、六回一死一、二塁で再び筒香が登場。ここまでシリーズで2回を完全に抑えている左腕、モイネロの低めの変化球を、中堅フェンス直撃の適時二塁打とした。続く宮崎が同点打。さらに嶺井の二塁・明石の失策を誘うゴロで、筒香は勝ち越しの生還。ホームを踏むと、普段はポーカーフェースの男が笑顔でバンザイだ。観客席のファンも総立ちで喜んだ。

 「石田の立ち居振る舞い、周囲を引っ張る姿をみんな見ている。石田を勝たせたい気持ちがみんなにあったと思う」

 五回途中4失点で降板し、負ければ“終戦投手”となっていた石田を助けた。ラミレス監督から今季の開幕投手に指名された24歳の左腕を、筒香は主将として気にかけていた。ある夏の試合前の練習で、キャッチボールをしたこともある。通常は投手同士、野手同士で行うが、筒香から声をかけた。「健大(石田)に遊んでもらいました。アイツの球すごいですよ。質がいいですよね」。かわいがっている後輩の悔しさは変わらなくても、敗戦という責任感からは救うことができた。

 「まさに4番の仕事をしてくれた。きのうは調子がよくなかったけれど、きょうは必ずやってくれると思っていた」。ラミレス監督も、本来の姿を取り戻した主砲への信頼を口にした。そして筒香も、チームの底力を感じている。「3連敗してから、チームはいつも通りの雰囲気になっている」。若く、爆発力のある本来のDeNAには勢いがある。

 日本シリーズで開幕3連敗から2連勝し、残りを敵地で戦ったパターンは過去3度あり、いずれもさらに2連勝で優勝。“逆転V率100%”のデータも後押しする。

 「あと2勝したら日本一。浮かれることなく、気を引き締めて福岡に行きたいと思います。日本一になって、ファンの皆さんに恩返ししたいと思います」と筒香。福岡で、感動フィナーレを必ず飾る。 (湯浅大)

★日本シリーズ・3連敗からの逆転日本一

 ◆1958年・西鉄 三原脩監督の西鉄と水原茂監督の巨人が3年連続の対戦。大物新人の長嶋茂雄が加入した巨人は3連勝したが、第4戦が雨で中止となって流れが変わる。稲尾和久が7試合中6試合に登板(4試合完投)と奮闘し、4勝全てを挙げた。

 ◆86年・西武 ともに就任1年目の森祇晶監督率いる西武と阿南準郎監督の広島が対決。第1戦は引き分け、第2戦から広島が3連勝。しかし第5戦で延長十二回に工藤公康がサヨナラ打を放ち勝利すると、第6戦は渡辺久信、第7戦は松沼博久の好投でタイに。日本シリーズ史上初めて第8戦が行われ、西武が3-2で広島を下した。

 ◆89年・巨人 仰木彬監督の近鉄と藤田元司監督の巨人が激突。第3戦で勝利投手となった近鉄・加藤哲郎がインタビューで“(パ・リーグ最下位の)ロッテの方が怖い”という趣旨の発言をしたことが巨人ナインの闘志に火をつける。第4戦を香田勲男の完封で5-0と快勝した巨人が一気に流れをつかんだ。

データBOX

 DeNAが対戦成績を2勝3敗とした。シリーズで1勝3敗から2勝目を挙げたケース(引き分け試合を含む)は、1993年の西武(シリーズ敗退)以来24年ぶり17度目。過去16度のうち、日本一に輝いたのは4度で、優勝確率は25%。ただ今回のように開幕3連敗から2連勝した例は過去5度のうち、日本一になったのが58年の西鉄、86年の西武、89年の巨人の3度。優勝確率は60%と形勢逆転。この3度のケースはいずれも残り2戦を敵地で連勝して逆転日本一。DeNAには優勝確率100%の“吉兆”データだ。

★日本シリーズ第1-4戦VTR

 ◆第1戦(10月28日、ヤフオクドーム) ソフトバンクは先発・千賀が7回1失点と好投。打線は一回にデスパイネが先制打を放ち、五回には7得点を奪うなど圧倒。DeNAは投打ともに低調で10-1でソフトバンクが圧勝。

 ◆第2戦(同29日、ヤフオクドーム) DeNA・今永、ソフトバンク・東浜の両先発が試合を作り接戦に。DeNAは1点を追う六回に梶谷、宮崎の本塁打で逆転。だが、ソフトバンクは七回に中村晃の右前打から二走・今宮が好走塁で勝ち越し、4-3でソフトバンクが2連勝。

 ◆第3戦(同31日、横浜) ソフトバンクは一回、内川の適時打で3試合連続の先制。一方、DeNAは一回に桑原、梶谷が二盗に失敗してチャンスを逃す。四回にソフトバンクは高谷の2点適時打で追加点。DeNAはロペスのソロ、倉本の内野安打で追い上げたが3-2でソフトバンクが逃げ切り王手。

 ◆第4戦(11月1日、横浜) DeNAが無失点リレーで19年ぶりの日本シリーズ白星。先発の新人左腕・浜口が八回一死まで無安打に抑え、打線も前日までの貧打とは打って変わり2桁安打で援護した。ソフトバンクは先発・和田が粘ったが打線が沈黙し、日本一へ足踏み。

日本シリーズ

 先に4勝した球団が日本一となる。第7戦までは延長十五回制。第8戦以降は延長回の制限を設けない。悪天候などにより中止となればその球場で順延とする。第3戦以降に中止となった場合、その球場で順延する。いずれの場合も第5戦と第6戦の間に移動日を設けない。第7戦を行って優勝が決定しない場合には第7戦を行った球場で第8戦を翌日に開催。第9戦が必要な場合には移動日を設け、もう一方のチームの球場で行う。パ・リーグのチームの本拠地での試合ではDH制を採用する。

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