中国記者が推す三原の「真央的演技」

三原舞依 © スポーツ報知/報知新聞社 三原舞依

 中国のフィギュアスケートファンは熱かった。グランプリ(GP)シリーズ第3戦、中国杯を取材した。中国はペアが強く、五輪でもメダルを獲得するほどの実力がある。男子の金博洋も人気が高い。チケットは定価の2倍近くまで跳ね上がることもあるという。

 驚いたのは、中国選手に負けないくらい声援を浴びていたのが日本選手だったこと。会場には日本人の観客も多かったが、日本選手が登場すると、中国選手を上回る拍手と歓声が響いた。演技後にはリンクを埋め尽くすほど大量のぬいぐるみが投げ込まれた。日本では演技後に花束を投げ込むことが多いが、中国ではぬいぐるみが主流らしい。本田真凜(16)=大阪・関大高=は8月のアイスショー(栃木)でピカチュウの着ぐるみを着たせいか、これでもかというほどのピカチュウがリンクに転がった。中国のファンは、日本選手の情報を逐一チェックしているようだ。

 なぜ、これほど日本選手が中国で注目されるのか。日本選手を中心に取材をしている中国メディアの1人に聞くと、偉大なスケーターの名前が出てきた。元世界女王で4月に現役を引退した浅田真央さんだ。「同じアジア人として、日本選手は注目しています。特に浅田真央さんは中国でも人気。一度は引退しましたが、復帰して最初の優勝が15年のGPシリーズ・中国杯でした。すごい熱気でした」と教えてくれた。浅田真央さんの登場で、中国人も日本選手に目を向けるようになったのだ。

 今回の中国杯で、特に歓声が大きかったのは三原舞依(18)=シスメックス=。「三原選手はすごくいいです。浅田真央さんみたいなスケートをしますね。(中国で)知っている人も多いですよ」。キレのあるステップ、滑らかなスケーティング、流れるような美しいジャンプが、浅田真央さんを思い出させるようで、中国メディアが挙げた注目の日本選手だ。

 中国杯(北京)では、2枠の女子五輪代表を狙う三原、真凜、樋口新葉(16)=日本橋女学館高=の3選手が出場し、熱き女の戦いが話題になった。結果はSP、フリーともに安定した演技を見せた樋口が唯一、表彰台に上がり1歩リード。真凜は第1戦のスケートカナダと同様、5位だった。三原はSP7位からフリーで巻き返したものの、表彰台まであと0・75点の僅差で4位。「すっごい悔しかった」と話した。

 三原はシニアデビューの昨季、急成長した。17年四大陸選手権で優勝。国別対抗戦では、フリーで日本女子歴代1位(146・17点)をマークするなど、飛躍した1年だった。シニア2年目で海外からも注目される存在になった。「日本のフィギュアスケート=浅田真央」をイメージする中国ファンをも魅了した美しく力強い演技で、平昌五輪出場を果たし、あこがれの浅田真央さんに少しでも近づけるシーズンになるよう期待したい。(記者コラム・小林 玲花)

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