筒香サヨナラ弾、巨人は史上初の屈辱

9回裏DeNA2死一塁、サヨナラ2点本塁打を放ち手荒い祝福から逃れようとする筒香(撮影・足立雅史) © 日刊スポーツ 提供 9回裏DeNA2死一塁、サヨナラ2点本塁打を放ち手荒い祝福から逃れようとする筒香(撮影・足立雅史)

ハマの4番が一振りで試合を決めた。DeNA筒香嘉智外野手(25)が、6-6で迎えた9回裏2死一塁から、今季初のサヨナラ本塁打を中堅左にたたき込んだ。1回は桑原将志外野手(24)の先頭打者本塁打で幕を開け、盟主巨人にとっては「先頭打者弾&サヨナラ弾」での敗戦は、球団史上初の屈辱になった。筒香の5試合ぶりの本塁打で接戦を制し、4位巨人との差を5ゲームに広げた。

夏休みに入ったばかりの真夏のハマスタに、とびっきりのビッグアーチが飛び込んだ。9回裏2死一塁、千両役者の筒香が打席に立つ。夜遅くまで残った子どもたちのボルテージも最高潮の中で、カウント1-1から外角に入ったチェンジアップを見逃さない。強く振った打球は、一気に中堅左に飛び込んだ。「来た球を強く強く打つだけ。それだけです」。言葉はいつも通りでも、バケツの水をぶっかけられ、ビショビショになりながら笑っていた。

みんなこんなホームランを見たくて球場にやってきた。ヒーローインタビューの最後には、夏休みらしく少年、少女がインタビュー役になった。

少年 筒香選手に質問です。プレッシャーに打ち勝つためにはどうすればいいですか。

ドッと沸いた球場の中で、筒香はいつもより低いマイク位置まで大きな体を折り曲げ、語り出した。

筒香 ネガティブなことを考えずに、ポジティブにいけばプレッシャーに打ち勝てると思う。

ポジティブ、の言葉にうそ偽りはない。本塁打は5試合ぶり。前日22日の試合前はフラストレーションと戦っていた。「グリップの位置、スイング軌道、体の軸…。自分の打撃が全くできていない」と漏らした。

ロッカールームに引き揚げると、イスに腰を掛け、かつての打撃イメージを思い返した。「下半身が使えていない。軸足が回転できていないから、上体だけで強引なスイングになっている。もっと下半身の回転で打つことを意識した」。思い立ったらすぐに実行するのが筒香の流儀。試合直前にもかかわらず、主砲は人知れず室内練習場に向かった。「もう1回、スイングしたら、ポジティブな部分が見えてきた」。

少年に伝えたいポジティブな気持ちを、翌日の劇的な1発に込めた。ラミレス監督は「本当にこの瞬間を待っていた」と興奮。無邪気な子どもたちも大人だって、みんなこんなホームランに夢を見る。【前田祐輔】

▼筒香が16年6月4日ロッテ戦、同7月22日巨人戦に次いで3本目のサヨナラ本塁打。この日のDeNAは桑原が先頭打者本塁打。先頭打者弾で始まり、サヨナラ弾で終わったチームは15年9月12日西武以来。セ・リーグでは14年9月15日DeNA以来18度目で、球団では5度目。巨人戦で記録したチームは史上初めてだ。また巨人が許したサヨナラ弾は、この試合の筒香で通算100本目となった。

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