故障者続出で再確認、鉄人鳥谷の価値

 【トラとら虎】

 阪神・鳥谷敬内野手(36)が「鉄人」としての存在価値を高めている。主力の糸井、糸原らが故障で戦列を離れるなか、今季もただひとり全試合に出場。連続試合出場記録を歴代2位の1835(21日現在、以下同)まで伸ばしている。

 「無事是名馬ではないが、チームにとってこれほどありがたい選手はいない。その思いは故障者が増えるたびに強くなる。年齢からして疲れはあるだろうが、体力を維持する努力と、弱音を吐かない精神力には敬服する」と球団幹部は絶賛。

 首脳陣は連日スタメン作りに苦労している。2人のレギュラーが欠けるうえ、福留には適当に休養が必要だから、やりくりを余儀なくされるのは当然だろう。「そんな中、鳥谷の名前だけは判で押したようにスタメン表に書ける。いまさらながらチームにとって得がたい選手」と球団OBも高く評価する。

故障者続出で見直される鉄人・鳥谷の価値 連続試合出場にこだわるのは「信頼の証」: 故障者が続出してみると、阪神・鳥谷(左)のありがたみがよくわかる © zakzak 提供 故障者が続出してみると、阪神・鳥谷(左)のありがたみがよくわかる

 今年は大きなピンチがあった。5月24日の巨人戦(甲子園)で顔面に死球を受け鼻骨骨折。それでも翌日の試合にフェースガードをつけて代打で登場した。

 なぜ、これほど連続試合出場にこだわるのか。鳥谷は「信頼の証」と前置きし、こう続ける。

 「監督の立場にすれば、常に試合に出られる選手は頼もしくて計算できる存在でしょう。いくら打てる打者でも、チームが大事な時に出られないのでは信頼されない。その意味で試合に出続けることが一番大切と思っています」

 その信念も成績が伴わなければ崩れるが、打率・296をマークして健在ぶりをアピール。通算2000安打にもあと46本と迫り、今季中(残り60試合)での達成は間違いないところだが、相変わらず個人記録の話には乗ってこない。いまがチームにとって正念場と腹をくくっているからである。(スポーツライター・西本忠成)

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