5人死傷も施設理事長、事件性を否定

 岐阜県高山市の介護老人保健施設「それいゆ」の入所者5人が死傷した問題で、施設側は27日、入所者や家族を対象にした説明会を開いた。終了後、施設を運営する医療法人同仁会の折茂(おりしげ)謙一理事長が記者会見し、県警が捜査中で断言できないとしながらも、死傷した5人について「1人は病死か自然死、4人は事故」との見解を示し、事件性を否定した。

 死傷した5人の家族には26日までに経緯を説明しており、27日はそれ以外の家族らを対象に説明会を開催した。午前と午後の2回で計75人が参加した。

入所者が相次いで死亡した介護老人保健施設「それいゆ」=大竹禎之撮影 © 毎日新聞 入所者が相次いで死亡した介護老人保健施設「それいゆ」=大竹禎之撮影

 「それいゆ」では7月31日、高山市の門谷富雄さん(80)が食事中に意識を失って死亡。8月7日には同市の石本きん子さん(93)が脳挫傷などで死亡した。13日には同市の中江幸子さん(87)が折れた肋骨(ろっこつ)が刺さって肺の中に血がたまる外傷性血気胸などで死亡。15、16日には91歳と93歳の女性に多発肋骨骨折などが見つかり、入院している。

 折茂理事長によると、説明会では門谷さんは病死か自然死、他の4人は事故との見解を伝えた。搬送先の病院で門谷さんは「窒息死」とされたが、施設側が当時と同じ食事で検証し、窒息に至る可能性は低いと判断。他の4人は骨折やあざなどの外傷があったが、自ら転倒したり、介助で職員に抱えられたりした際などで生じたとの見解を示した。

 折茂理事長は23日に「多少、事件性が高く考えられる」と話したが、27日の会見では「当時は頭がパニック(状態)で、十分な整理ができていなかった」と釈明。そのうえで「事実や情報を総合し、施設としての見解を伝えた」としている。

 同問題を巡っては岐阜県警が特別捜査本部を設け、事件と事故の両面で捜査中。27日の説明会に参加した入所者の家族の女性(65)は「立て続けに5件起きている。(事件性がないと言い切れるのか)納得できなかった」と話した。【沼田亮】

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