スペースワールド、閉園近づき客急増

 北九州市のテーマパーク「スペースワールド」は閉園まで残り1カ月となり、名残を惜しむ来園者で園内は最後のにぎわいを見せている。一方で約24万平方メートルの跡地活用について、所有する新日鉄住金の優先交渉先であるイオンモールはまだ具体像を示していない。開発が遅れれば地域の観光、経済が停滞しかねず、市は「早く方向性を示してほしい」と焦りを募らせている。

 11月最後の週末、2.5秒で最高時速130キロに達するロケットコースター「ザターン」に長蛇の列ができ、待ち時間は120分に及んだ。迫力を楽しんだ山口県周南市の会社員男性(21)は「並んだかいがあった。なくならないでほしい」と残念そうだ。

 昨年12月の閉園発表後、今年夏ごろから来園者が増えている。園によると、年間最多の216万人が訪れた1997年度をほうふつさせる多さとなっており、週末には開園前に列ができ1時間待ちになることもある。

 大みそかの「グランドフィナーレ」も早朝から大混雑が予想される。年越しカウントダウン花火などがあり元日午前2時をもって27年間の歴史を閉じる。

ジェットコースター「ザターン」に乗るため長い列をつくる来園者ら北九州市八幡東区のスペースワールドで2017年11月26日午後0時55分、取違剛撮影 © 毎日新聞 ジェットコースター「ザターン」に乗るため長い列をつくる来園者ら北九州市八幡東区のスペースワールドで2017年11月26日午後0時55分、取違剛撮影

 跡地利用について、イオンモールは4月に「エンターテインメント、カルチャー、食を融合したこれまでにない業態」とコンセプトを明らかにした。しかし、年内の見込みだった「大きな方向性」の提示は年明け以降にずれ込む公算が大きく、具体的な計画の発表は数年後の見通しだ。

 施設の解体も不透明だ。加森観光(札幌市)傘下のスペースワールド運営会社は、2005年に新日鉄から営業権を譲渡された後につくったザターンやアイススケート場、大型プールなどを来年6月までに解体する。しかし、譲渡前からあるスペースシャトルの実物大模型や大観覧車などの解体は費用の問題も絡み未定だ。

 市の担当者は「早く解体などを進めてくれないと今後の手続きが滞りかねない」と危惧する。北九州市の北橋健治市長は29日の定例記者会見で「できるだけ早く計画の中身を知らせていただきたい」と重ねて求めた。【取違剛、井上卓也】

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